バカ話80選

1.    GCP (Good Clinical Practice)

臨床試験実施のバイブル。治験を依頼するほうは熟知しているが、実施するほう(病院や医師)はよく理解していないか、理解したくない、という不思議な基準。基準を設ければ事足れりとするとする官僚の労作。

2.    GPMSP (Good Post Marketing Surveillance Practice)

医薬品の「市販後調査に関する基準」だが、調査した結果を活かすという視点が欠落している中途半端な基準。製薬企業は、新薬を育てる育てるためにGPMSPは大事だというが、実際には宣伝広告データに利用される不幸な分野。言行不一致の典型例。

3. IRB (Internal Review Board)

治験審査委員会の略。プロトコールの科学性、倫理性を審議する非常に大切な委員会であるが、多くは機械的、事務的に進行する。各施設で行うのが通例になっているので、他の施設の審議を当てにする施設が多い。かくして臨床試験は粛々と開始される。

4.IC (Informed Consent)

ICチップではなく被験者同意である。多くは無言の圧力の下でなされているのではないか、と疑念をもたれている。本来は医者が十分に説明しないといけないが、人任せにされているとも言われる。医師の出番は最終段階で無言の圧力をかけるときのみ?

5.OJT (On the Job Training)

実務を通して若い人に仕事を教えるのが本来であるが、先輩風を吹かせる良い機会でもある。かくして人はさまざまに育っていくが、個性的な集団を作るのに有効な手法。OJTを利用すれば自分の派閥を作ることも可能。

 6.プロトコール (Protocol)

もともとは政治的な議定書のことであったが、医薬の世界では臨床試験の計画書をさしている。「やさしく見えるプロトコールは実際は難しく、難しく見えるプロトコールはほとんど実施不可能」という言はもって銘すべきである。

7.   ヘルシンキ宣言 (Helsinki Declaration)

人道に対する深い贖罪意識から生まれた宣言であるが、何度も改訂されていることは反省が足りないことを示している。要は「人体実験」を正当化するための宣言である。

8. プラセボ (Placebo)

うどん粉でも鼻くそ万金丹でも薬になる機会を与えられる稀有な事例である。別の表現を借りれば「イワシの頭も信心」という。

9. 臨床試験 (Clinical trail, clinical study)

人体実験の別称である。敗戦を終戦といい、退却を転進というがごとし。被験者にも何がしかの治療上のメリットがあるということで、医療の一部として実施することの正当性を与えようとしているが、自らが進んで被験者になることがない立場の人間のたわごとである。

10. 治験薬概要書 (Investigators’ Brochure)

概要書といいながらあまりに詳しく、分厚い文書なので概要がさっぱりつかめない文書。治験薬概要書が進化して添付文書になるといわれるが、そのプロセスでどれほど重要な情報が意図的にそぎ落とされたかを検証するのが、、厚生労働省によるによる承認審査である。

11. 添付文書 (Package Insert)

昔は能書(のうしょ)といった。薬の「能がき」を書いた紙が入っていたからだろう。PL責任が厳しくなって企業防衛のために、何でもかんでも書けばよいという姿勢のために、重要な情報とそうでないものとの区別がつかなくなってしまった。したがって医師が真剣に読むことが少なくなり、病院薬剤師の役割が再認識されるという副次的効果を生んだ。 

12. 臨床 (Clinical)

文字通り「病床に臨む」ということであり、ベッドサイドで患者を治療するという意味であるが、「同衾する」ことももちろん臨床といってよい。

13. 上司 (Boss)

元東京地検の検事であった堀田力(ほったつとむ)氏は、その著書「上司よ、おごるな」の中で「上司には3種類ある。有害な上司、無能な上司、有能な上司である」といっている。部下が一番育つのは無能な上司であるという。(だから私は無能な上司をめざす・・・)

14.部下 (Subordinate)

上司は自分の期待に応えてくれると期待しているが、部下は上司になにも期待しないのが普通である。

15.同僚 (Colleagues)

自分と同格であるが、すきあらば足を引っ張り合う関係にある人を指して同僚という。「人の不幸はわが身の幸せ」ということを実感できる関係にある。

16.オーファンドラッグ (Orphan Drug)

患者数が(国内で)5万人以下と推定される疾患に使われる薬と定義されているが、「儲けが少ないために製薬企業から見捨てられた孤児」というのが本来の意味である。企業姿勢をアピールするためにあえて開発する奇特な企業もある。そういう企業に限ってオーファンドラッグに課せられている市販後の全例調査の負担は大きすぎると文句をいう。

17.プロジェクトマネージャ (Project Manager)

各ラインから人を借りて一仕事を請け負う因果な職務。専門性はもちろんのことリーダーシップやマネジメント力が必要なのは部課長と同じであるが、各ラインとの利害衝突に耐えられるだけのタフさが何より必要。マネージャということから大きな権限が与えられているように見えるが、実際はそうではなくいろいろな狭間にあって、悶える快感を楽しめなければ勤まらない。

18.二重盲験試験 (Double Blind Test)

臨床試験を科学的にした手法として知られる。どこかの企業で割り付けた薬剤箱の裏底に薄い色のマジックで点を打ち、識別していたことがばれた実例がある。方法論は正しくても抜け道はいくらでもあるという見本になった。

19.安全性 (Safety)

薬の危険性を論じながら安全性とはこれいかに。被験者同意説明文には薬の危険性として副作用や有害事象が記載しているが、頻度の高いものを記載している。しかし薬の危険性はめったに起こらないものほど大きいという経験則からすれば、同意説明文書は詐欺である。

20.統計(Statistics)

もともとは国家(State)が税金徴収のため人口調査を始めたことがの語源だが、いまは人をだます方法としてしられる(「統計で人をだます法」という本がある)。有意差があるという結果が出れば、、臨床的意味を考察せずに即、薬の特徴として考えてしまう連中がいる限り統計家の威厳は安泰である。

21.システム開発 (System Development)

システムを開発するのに常はコンピュータのアプリケーションの開発をさす。つまりブラックボックスのインプットとアウトプットのみが実現されるにすぎないのに、斬新な業務方法(システム)が開発されたと錯覚させるプロジェクト。

22.成果主義 (Deliverable-oriented)

社員に給料を高く払いたくないために考え出した手法と一般には理解されている。企業活動の99%は日常業務であって、創造的成果など期待できる余地は極めて限られているにもかかわらず、期待成果を無理やり設定させ、やっぱり出来なかったと低い評価をつけるシステム。まれに大当たりの人がでるので宝くじみたいなものである。(今後は宝くじの現物支給とする)

23.マネジメント (Management)

仕事がうまくいかないときに真っ先に引き合いに出される、絶対的に信奉されている技術。昔は「天の時、地の利、人の和」といってマネジメントの重要性は3番目であったのだが。ないものをやりくりする、という原義であった。

24 .リーダーシップ (Leadership)

一匹の狼が百匹の羊を率いた集団と、一匹の羊が百匹の狼を率いた集団とどちらが優れているか?という問題である。前者の集団には兵隊がいなくなり、後者の集団にはリーダーがいなくなるだけのことなのだが。

25.ナレッジマネジメント (Knowledge Management)

「暗黙知を共有する」ことらしいが、「阿吽(あうん)の呼吸」の関係には及ばない。自己優先社会にあって、人と人の間をつないでいこうと主張するコンサルティング会社の新商品。

26.計画 (Plan)

要するに「絵に描いたもち」である。最近は計画を描く技法もグラフや表を使ってカラフルに進化してきている。しかし計画がそのとおり達成できる確率はむしろ低下してきている。幻想を文書化したものである。

27.PDCAサイクル (Plan-Do-Check-Action cycle)

計画達成がうまく行かないので何とか効果的に修正しようと考えだされた手法。最近はPDCAサイクルそのものがうまく行くようにと新たな手法が模索されている。これを「屋上屋を重ねる」という。

28.じんざい (Human Resources)

価値の高いほうから、人財、人材、人罪である。しかし働く人々をresourceという間は人に対する対する尊厳はない。

29.人事考課(Personnel assessment)

人物を評価することであるが、やってることは仕事のよしあしを評価するのである。仕事の出来栄えは担当者の能力・努力だけで決まるものではないが、それらを無視することで仕事の評価=人物評価となり人事考課が成立する。

30.育ての親 (Mentor)

メンターの役割をする先輩を育ての親という。採用した人間は生みの親というところか。生みの親より育ての親というとおり、入社後の責任は全て育ての親に帰せられる。しかし運よく育てば採用担当者の目がよかったと手柄をさらわれるのである 。

31.権限委譲(Delegation)

上司が面倒くさい仕事と思ったとき、あるいは自分には手におえないと思ったときに、部下に仕事をやらせる常套手段である。単に仕事を頼むのでなく、仰々しく押し付けるときに使う言葉であるが、たいてい権限を与えるのを忘れるし、委譲してはならない責任までを押し付けてしまう。

32.コーチング (Coaching)

最近のリーダーシップ学で注目を浴びている部下の指導法のひとつ。名古屋コーチンとはとりあえず関係ない。部下を強制的に従わせることが難しくなった時代の産物でもある。相手のよいところを引き出すということらしいが、少年野球のコーチは「あほ、なにしてんねん、何べん言わすねん」の3語彙があれば勤まる。

33.危機管理 (Crisis Management)

危機にならないようにする管理と、実際の危機に生じた混乱を収束させる管理と本来は二つであるが、通常後者をさす。後者は「泥縄」であり前者は「羹(あつもの)に懲りてなますを吹く」ことである。

34.女性 (Woman)

計算力、愛嬌、暗記力に優れ、別腹をいくつも持って男性に勝る存在。若いときに可憐、中年にしてたくましく、年老いて生命力旺盛な人類。

35.看護婦 (Nurse)

今は看護師で統一されているが、白衣の天使の別名。天使はもともと性別がないとされているが。西洋画の天使にはおちんちんが立派についていることがある。最近はコスチュームプレイと称して白衣の天使が出没し、ビーナスか観音さまに脱皮する危ない機会も多い。

36.男性 (Man)

女性に席巻された人類の片割れ。見栄、沽券にこだわり、飽きっぽいわりにはロマンを失うとやっていけない生物。持久力、細かい作業、学力、食欲、好奇心、実利追求・・・生活力のすべてにおいて女性に劣後する。

37.MBO

外資系でよく採用されているManagement By Objectivesの略で、期首に仕事の目標を立て、期末に出来具合を評価するシステム。本来仕事を個々人のレベルで管理する手法であったが、原資配分の概念と結びついて人事考課の手法となった(もう(M)ぼくは(B)おてあげ(O)です)。

38.同意説明文 (Informed Consent)

自分がどう扱われてどうなるのか、十分に説明を受ける内容が記載されているはずの文書であるが、自分が被験者になる立場で専門家が読めばとても納得できないしろものである。Consentの古義には「負ける、屈する」の意味がある。被験者説得文書とするのが正しい。

39.プレゼンテーション (Presentation)

Presentとは贈り物(をする)であるが、最近は上げ底の箱をカラフルな色紙で包んだようなプレゼンが多く、聞いてよかった、もうかった、と思わせるものは稀である。プレゼンsoftに力負けするプレゼンが横行している。

40.英語 (English)

現在では世界の共通語として大きな顔をしているが、もともとは馬と会話するときの言語。英語をしゃべれる人は増えているが、競馬に勝つとは限らないのは、パドックで馬に話しかけないからか、それともやっぱりサラブレッドにはアラビア語でないとだめかも(スペインのカルロスI世は、神と対話するときスペイン語を、貴婦人とはフランス語を、外交使節とはイタリア語で、軍人にはドイツ語をつかった。英語は馬と話すときの言葉であった、と言っている)。

41.説明責任 (Accountability)

権利と責任は対になっている。説明責任に不可分の権利は発言権と黙秘権である。都合の良いことは声高に主張し、風向きが変わればだんまりを決め込むことである(どこかの国の首相はこの責任を十分果たしている)。

42. ヒト(Human being)

生物種としてのヒトは食物連鎖の頂点に立ち、雑食性を極めた存在である。人の尊厳を考えて他の動物から区別する主張がなされるが、酒に飲まれれば大トラにも、うわばみ、おろちはおろか送り狼にもなるのでやっぱり変態動物の一種とするのが正しい。(おれは虫けら以下・・・)

43. 有効性 (Efficacy)

臨床試験でエンドポイント(最終目的)の有効性ついてよく問題にされるが、柔道の試合をみていても「有効」の判定はよくわからない。有効性の判定は科学でなくてアートなのかもしれない。

44. 病(やまい)(Disease)

最近は肥満とかED(男性の勃起不全)とかの薬が開発されており、薬の守備範囲もずいぶん広がってきたが、恋の病、金欠病、仮病などには当分有効な薬ができそうにない。他にもイギリス病、大企業病など組織のあるところ、病と無縁ではない。

45. 患者(Patient)

日本語では文字通り「病を患う人」だが、英語ではPatient(病を我慢する人)である。我慢を少しでも減らすことに貢献するということからQOL(Quality of Life生活の質)の概念が出てきたのだろうか。Question of Life と考え込んでしまう。

46. 失敗 (Failure)

「失敗は成功の母」といわれているが、最近は「成功は失敗の元」であるともいわれる。日清、日露戦争での勝利が、油断と侮りを生んで太平洋戦争を仕掛けたのである。本来失敗と成功はあざなえる縄の如しであるが、巨人軍のように金を使いまくるのは、「勝利の方程式」をゆるがせにしない決意の現れである、と思えば立派な経営哲学である。(金のある限り巨人軍は不滅です)

47. マネージャ (Manager)

マネージャにもぴんきりあって、外見や名刺の肩書きだけでは実態と実力はわからない。マネージャなるポジションが増え続けて、粗製濫造しなければ追いつかない状態になっている。要求条件だけは緩和どころか厳しくしているのは、マネージャの候補者をまず絶対的絶望に追い込んでから、耐えた人間を選別するためである。

48. 転職(Change jobs)

天職を求めて仕事を変わること。ほとんど必ずカルチャーショックを覚えるのであるが、転職雑誌はそういうことは教えない。転職の向こうに青い鳥がいるという、募集企業のキャッチフレーズにだまされるのが普通である(青い鳥症候群)。ただし役人が天下るときには必ず天職にめぐりあう。 

49.  医者の心得(Acting principle for doctor)

医者の卵は女性を見たら「妊娠していると思え」と教え込まれる。常に妊娠している可能性を考慮に入れて、医学的判断しなければならないことをいさめた教えだと思うが、妊娠したいきさつについては詮索してはならないことになっている。それは「身の上相談者」の領域であるからである。

50. 理論と実際 (Theory & Reality)

臨床試験の概念や技術は進歩したが、実施する人間系には落とし穴や間違いがいっぱいある。人間の行動や倫理の進歩は遅々としているので、臨床試験は理論と実際の乖離を観察するよい機会である。

51. 実行可能性(Feasibility, Practicality)

何かを始める前に実際の状況を模擬的に作り出し、うまく行くかどうか実験的に観察を行って(Simulation)検討する。ミッドウエーの戦いの前に、海軍は兵棋と呼ばれる図上演習で作戦の可能性を探ったが、図上で沈没したはずの軍艦を、「小破に修正!」といって何度も図上演習に参加させたという。手段が自己都合により目的化した典型。(航海先に立たず)

54. 埋没原価 (Sunken Cost)

失敗して取り返しのつかない投資(経費)をいう。たとえば石油を当て込んで井戸を掘ったが泥水しか出ずにあきらめたら、それまでの金は文字通り埋没して回収不可能である。競馬、パチンコ、身分違いの女性に貢ぐこと。人生は埋没、水没、沈没、陥没の連続である。(教訓:早めに見切りをつけること)

55. 戦略 (Strategy)

国是、方針、戦略、戦術と上から階層構造をなす。外資系の会社では「戦略(なんとか)部」といった部門がめずらしくないが、上位の方針は概略不明で下位の戦術は場当たりをもって可とするところが多い。「名は体を現す」という期待は「名前負け」という現実とつねによき隣人である。

56. 仮説 (Hypothesis)

仮設住宅と同じく、まだ本式と認められていない説。「これは仮説の段階だが・・・」と延々と話を始めると、終わるころには誰もが事実か法則かと思い込んでしまう。自分の主張を託して説得するための形式である。

57. いまどきの若いもんは

メソポタミアの4000年前の碑文を解読したら「いまどきの若いもんは・・」という年長者の愚痴が記されていたという。世代間のギャップは永遠不変であることを思えば「いまどきの若い者に大いに期待する」のが経営者の正しい考え方である。いまどきの若い者でなくなるとき人は老いるのである(いまなんどき?サミュエル・ジョンソン)

58. 企業統治(Corporate Governance)

企業の不祥事が相次ぐ中、遵法精神で運営していくことを新しい衣で言い換えたもの。もともと日本の重役は「取締役」といって文字通り企業活動を統治していた。そのうち社長を「統治長」、重役を「統治役」と改める日が来るに違いない。

59. 責任 (Responsibility)

不祥事を起こした企業の社長が「辞めるのは何時でもできる。再発を防止する体制を再構築するのが私の責任である」と記者会見で言うのを聞くが、辞書的第一義としてまったく正しい所信表明である。ただし世間では「その能力がないことがはっきりしたので辞める」のが責任の取り方と理解している。

60. 権限 (Authority)

「限」という字がついているとおり、一定の範囲においてのみ有効な「人をあごで使う、または頭ごなしに怒鳴りつける」権利であるが、大概は他部署の人まで迷惑することが多い。「越権」とセットで理解しない上司が多い。

61. 期待 (Expectation)

物事の成就をあてにすること。外れることが多いので最近は天気予報と同じく数値で表し、「期待値」などという。最近の女性は義理チョコを多数ばらまき、期待値の増加を図る投機に走っている。(ROI:Return On Investment 女性は期間限定投機家をめざす)

62. 品質(Quality)

品質には2つある。「設計品質」と「製造品質」である。ある美貌の女優が高名な作家に「私とあなたが結婚したら、美貌に知性を兼ね備えた子供ができますわね」といったところ、作家は「空っぽの知性と不細工な容姿の合体になるかもしれませんよ」と答えた。女は常に楽観的に臨み、男はすぐ悲観に走る。

63. リスク(Risk)

期待しないことが生じ、有形、無形の損害をこうむる可能性。ギャンブル、プロポーズ、株式、入試、転職・・人生はリスクに満ち溢れている。最善のリスクマネジメントは「何もしないこと」である。想定外の出来事はリスクとは言わないようだ。

74. オプション(Option)

自己の手の中にある選択肢をいう。自己の決定権とセットになってなければオプションとは言えない。パック旅行についているオプショナルツアーにがっかりして文句を言うのは間違っている。目がくらんだ自分を呪うべきである。

75. 会議(Meeting)

必要悪にして不必要な行為。成果に乏しいが、時間とエネルギーを消耗する。会議の回数と消費時間をもって仕事の進捗と関係者の努力の指標とする。

76. 効率(Efficiency)

仕事を終えた後の疲労感のこと。疲労感が少ないほど効率的に仕事したのである。

77. 携帯電話もしくはスマホ(Mobile phone)

いまや必須の連絡機器。ある英国人が携帯電話を使う若い女性たちを見て「They talk a lot but nothing. It’s the same in the UK」という表現をした。現代をグローバルとして統一した偉大な発明である。

78. 来た、見た、勝った(Veni, vidi, vici)

いわずと知れたシーザーの名文句。アムステルダムの空港ではFly, See, Buyともじってショップにぶら下がっている。「使った、治った、効いた」とは臨床試験が未発達の時代の権威主義的な薬効評価方法をさしている。

79. カジュアル(Casual)

略式の服装、または平服をいうが会社ではド派手着かボロ着をさす。自由な雰囲気で創造性を高める、というのが狙いだが(ちょっと安直な方法)。

80. 日本語(Japanese)

文部省により英語よりずっと格下に扱われてきた日本人の母国語。結果として英語は話せず、日本語でも思考できない人間が増えている。当局は新たな対策として英語の早期教育を進める方針。(方針の誤りは戦略で回復できない典型)

番外編

 

1.    ぶらさがりのジョージ(原題:昼下がりの情事)

密会がばれそうになって、あわてて窓のベランダにぶら下がった間抜けなジョージのこと。

2.    吐く芸(原題:白鯨)

昔ローマ人は宴会で腹いっぱい食べると、吐いてまた食べ続ける特技を持っていたことから。

3.    老婆の休日(原題:ローマの休日)

昔素敵な恋をした老婆が、過ぎ去りしローマの休日を偲ぶこと。

4.    好爺の七人(原題:荒野の七人)

若き日に荒野を駆け巡った男どもが年老いて好々爺となった七人のグループ。

 

ことわざ編

1.    順風満帆

順風満帆(じゅんぷうまんぽ)と読む人がいるがそれも正解。追い風に歩けば何万歩でも楽に歩ける(井上ひさし「四千万歩の男」)。

2.    「己を知り、敵を知らば、百戦するとも危うからず」

戦いに勝ち続けて人生を終えたリーダーは古来稀有である。どこかで己を見失ったか、敵をあなどったかのどちらかであろう。

3.    「勝負は時の運」

己を知り、敵も知ってなお不足しているものが「時の運」だといえば、凡人には救いがある。(ただ運が悪かったんだよ、俺は・・・)

4.    豹変

本来は「大人は虎変し、君子は豹変し、小人は面をあらたむ」ということで良い意味に使っていたのだが、金がないと分かったとたん、つれなくなるのが現代的豹変である。

5.    枯れ木も山の賑わい

恩師に同窓会の招待状を出した文面に「枯れ木も山の賑わいです。おいでいただければ幸いです」とあった。熱血教師も年をとれば人間枯れては来るけど。

 

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