(続)バカ話60選

1.      教訓(Lesson)

「教訓は学ばれることはない」という以上の教訓はない。かくして歴史は繰り返す。The lesson is that lessons are not lessoned.と言ったらおおいに受けた。

2.      医者(Doctor)

先生、藪(野巫)医者、たけのこ医者、医は算術、りんごが赤くなれば医者は青くなる、医者の不養生、くすし、…多彩な形容を持つ職業人。新米でも権威者でも互いを「先生」と呼び合う不思議な人種。裸は見慣れているはずなのに、なぜか医局にエロ雑誌がころがっている。

3.      自己責任(Self-responsibility)

責任は本人が取るものだと思っていたが、あえて「自己」という言葉がつくからには責任は他人に取らせるのが普通なのか・・・知らなかった。

4.      品位(もしくは品格)

一流の企業経営者に備わってしかるべきものと考えられているが、それはむなしい願望かもしれない。プロ野球再編をめぐる某オーナーの発言集には品位というものを、思い知らせてくれるだけの大いなる価値がある。(人品骨柄はすでに死語)

5.      読書(Reading)

読書自体が人生の楽しみである、という時代は終わった。「速読術」なる本がよく売れているとのことであるが、「速読術」の本を速読術を駆使して読んだらどうなるのだろう?(そんなに急いでどこへ行く?)

6.      リップサービス(Lip service)

お世辞、口先だけの賛意という意味のれっきとした英語であるが、「唇で奉仕する」という本来の意味はどこにいった?

7.      システム(System)

「なんとかシステム」と銘打ってあると如何にも…と思わせる。「Fuel System」と看板を掲げた店をのぞいたら、薪(たきぎ)と灯油を売っていた。(アメリカのローカル誇大広告事例)

8.      ここはどこ?(Where am I?)

コペンハーゲンでホテルへの帰り道が分からなくなった。前から歩いてくる人に「ここはどこ?」と地図を見せながらたずねたら、にっこり私の両手をとって、You are here!(あんたはここにいるじゃない)。おいおいっ。

9.      バイリンガル(Bilingual)

二つの言語を操る人はバイリンガル、三つならトリリンガルという。では一つしかできない人は?…モノリンガルではなく正解はアメリカ人。(アメリカ人の作なら秀逸な自虐的ジョーク)

10.国別偏見のいろいろ(Prejudice, Bias)

・  Go Dutch:割り勘のこと。オランダ人はけちという評判。

・  English disease:社会保障が行き過ぎて、社会経済に活力がなくなった状態。

・  French leave: 挨拶もせずに黙って立ち去ること。

・  Turkish bath:トルコ人は大の親日家であるのに、日本ではいかがわしい風俗店を指してトルコ風呂といった時代があった。トルコ政府が日本に抗議したのももっともだ。

・  American coffee:ヨーロッパ人が軽蔑する茶色の水っぽい飲み物。

・  French kiss:濃厚な味がするのはフレンチソースのせいか。

・  Swedish joke:イギリス人がスエーデン人のジョークを評して言う。ちっとも面白くないジョークということらしい。

・  It’s Greek:ちんぷんかんぷんということ。シェイクスピアはギリシャぎらいだったのだろう。

11.性(Sex)

種族保存の機能を分担する生物学的区分のこと。つい「理性」を失って…と言うことを聞くがもとより「理」などはついていない。

12.性(Gender)

ボーボアールは「女は女として生まれるのではない。社会的に女になるのだ。」との名言を吐いた。歌舞伎の女形役者は確かにその言葉を裏付けている。

13.二元論(Dualism)

右か左か、良いか悪いか、0か1か、全てを二つのカテゴリーに分類すること。この論法の得意な人は頭が良いと見なされる。デジタル論法という方がわかりやすいが、突然沸騰、爆発する傾向を持つ人が多い

14.品質(Quality)

「品質至上」というスローガンがある。一週間絶食すればこの米はコシヒカリだ、タイ米だと議論している余裕はない。品質は供給が需要を上回った時の差別化にしかすぎない。

15.天(Heaven)

・  天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず(作者…福沢諭吉)。

・  天は人の上に人を乗せて人を作る(作者不詳…大隈重信という説もある)。

・  天は人の中に人を入れて人を作る(作者…匿名)。

16.見識(Judgment)

見識とはしっかりした判断力のことであるが、気位という意味もある。逆に英語ではHe is full of pride.といえば見識ばる、という意味になる。どこの世界も似たようなもんだ。

17.諸行無常

いわずと知れた平家物語の冒頭…。どういうわけか「修行無用」と聞こえて学問・修練に励む気力がうせる。All things must passという訳があるがEverything changesのほうがいいかも。(問答無用の鼾(いびき)あり…改悪平家物語)

18.神は細部に宿る(God is in the details)

世界3大巨匠の一人に数えられる建築家ルートヴィッヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、美術史家アビ・ヴァールブルグのお気に入りの言葉だった。(貧乏神はわが財布に宿る)

19.「?」(Question mark)

世界で一番短い手紙の文章(記号)として知られる(レ・ミゼラブルを書いたビクトル・ユーゴーが本の売上を気にして出版社に問い合わせた時の手紙にただ一つ「?」)。記号を使ってメッセージを表現するのは現代若者の発明ではない(温故知新)。

20.センス(Sense)

日本語なら「感性」というところか?国語審議会の人名漢字に関する提案を見れば専門家の感性がどれほどのものかよくわかる。自分の子供に「歪、姦」などの字をつけたらどうなるか…よきセンスは想像力を母とする。

21.ビジネス

Businessの語源はBusyであるから仕事が忙しいのは当たり前である。漢字で「忙しい」は「心を亡くする」と書く。ビジネスに行き詰って自殺する人が多いのはむべなるかな。サラリーマンよりビジネスマンと言われるほうを好むあなたはすでに心神喪失予備軍?(サラリーマンは気楽な家業と来たもんだ…植木等の時代がなつかしい)

22.自律神経失調症(Autonomic imbalance)

検査しても分からない体調不良が続くとき、だいたいこの病名がつくことが多い。ストレスが原因になっていることが多いが、若者と年配者では異なる。モラトリアム世代ではもとより自立していないので「若年性自立神経失調症」とするのが正しい。

23.結果論(Second guess)

結果を見てからああだ、こうだと論評すること。だからRetrospectiveなデータとその解析結果は信用されないのである。(事前に忠告しないやつに限って「だから言わんこっちゃない!」とのたもう)今後は結果論あらため「レト論」とする。

24.介入

自然な成り行きについて人為的な影響を及ぼすこと。大は「軍事的介入」から小は「おせっかい」までさまざまである。医学的にもInterventional studyとあればなんだかありがたく思えてくるが、あらゆる不都合を医学で治そうと考えること自体が「超おせっかい」である。…「健康病」という新しい病気

25.ボディランゲージ(Body language)

無意識のしぐさや行動がメッセージを込めていること。逆にあるしぐさや行動に常にメッセージが込められているとは限らない。これを読み誤ると大概えらいことになる。(そんなつもりじゃないのよ、いやよいや!ってなことになる。学校では英語よりボディランゲージを教えよ。)

26.後悔(Regret)

後で悔やむから後悔なので、前もってできれば後悔ではない。「後悔先に立たず」、「後悔跡を絶たず」。

27.大義名分(Good reason)

何かを始めるときの正当な理由だがたいてい理屈にしか過ぎないので途中であやふやになると思って間違いない。屁理屈の別名でもある。ことが終わって返り見るとき、大義名分は強牽付会の開き直りとなる。(ブッシュのイラク戦争を見よ。どこにでもくっつく屁理屈を膏薬に練り込んで大義名分とする)

28.合意(Agreement)

合意に至るまでに「おどし、すかし、かけひき」のプロセスがあるのは自明のことであるが最後は両者が落としどころを見つけて妥協しなければならない。このプロセスのない合意は「安易な妥協」と呼ばれるのである。「結婚は両性の合意により…」と念を押しているのは結婚に対する警告である。(結婚前は妥協しなかったのに、結婚してからは妥協の連続…いな譲歩の連続というのが正しい)

 29.決裂(Breakdown)

「けつをまくる」からけつ裂という。「おどし、すかし」の度が過ぎると決裂にいたるが、交渉当事者は「キレた」のである。若者は「キレ」やすいというが、マグネシウムが足りないのではなく、甘やかされて「おどし、すかし」の世の習いに慣れる機会がないからである。

30.プロセスか結果か?(Process or outcome?)

成果主義が浸透するにつれ、「結果が大事かプロセスが大事か」という議論が蔓延した。プロセス無くしてどうして結果を期待できるのか、という単純な因果律(例えばヒットを打つためにはバッターボックスに立つ必要がある)の疑問さえ考えたことがなかったらしい。しかしその後大いなる反省があったと見えてプロセスマネジメントが新たに注目されている。

31.君子は怪力乱心を語らず

オウムの空中浮遊、UFO、ノストラダムスの予言、正夢(逆夢)、ナチズムのアーリア人優越論、占い、ネス湖の怪獣、バーミューダ魔の三角域、ユーリーゲラーのスプーン曲げ、霊媒、地球外生物の訪問、エクトプラズム、キリストの聖体布、透視術、テレパシー…あなたはこれらのどれかをちょっとでも信じてはいないか?「人知の及ばぬ不思議があるやもしれない」というロマンチストと人をだまして金儲けをしようとするやからは峻別しなければならない。これらは統計的検証と奇術師によって見破られている。

 32.今は昔(Once upon a time)

乙女心、道徳、愛国心、義理人情、忠誠心、恥じらい、思いやり、職人気質、武勇、譲り合い、礼節、我慢、刻苦勉励、自己犠牲、友情、節約、不便…(「衣食足りて礼節を知る」「恒産なくして恒心なし」なんて覚えていますか?)

33.ノブレス・オブリージュ(Noblesse oblige)

本来は「社会的身分の高いものは大きな義務を負う」ということなのだが、日本においては国家の費用で大学を出て、汚職、権力乱用、地位利用、脱税に走る有名高学歴上等国民、大物政治家がなすべき自己保全義務を指す(ザル法は立法府に、恣意的解釈・運用は行政府に)。

34.罪

英語ではSinとCrimeに分かれている。日本語では「罪悪感をともなうもの」と「犯罪」とに分ければよいか。かけ離れた年下のうら若き女性とおじんが結婚すると、おじんが犯罪者に見られる。本人には罪悪感などかけらもなく、周囲は思っても見なかった精神的苦痛と喪失感を得るからである。慰謝料を要求してよい行為は犯罪に分類してよかろう。

35.パートナーシップ(Partnership)

よき相手との関係をいう。遠くはレーガンと風見鶏首相(ロンヤス関係)、近くはブッシュと小泉など。必ずしも対等とは限らず、片方がペットであってもこの関係は成り立つ(Petnership)。

36.文化(Culture)

かの有名な元都知事はフランス語を評して「フランス語は数を数えられない言語である」と侮蔑した(例えば80を表現するのに4・20と手間のかかる表現をするというだけで)。フランスはあまた偉大な数学者が輩出しているが、言いがかりをつければ偉大な文化も矮小化される見本である(文化住宅、文化包丁、文化人、文化勲章、文化祭、文化庁、文化の日…日本に勝る文化国家はないのだ)。

37.議論(Argument)

奥の深い言葉である。最初は冷静に話し合う(Discuss)が、次第に熱が入って声高になり(Argue)、次々と疑問が湧き出て論争し(Dispute)、立場の違いが鮮明になって(Controvert)、ついには相手を非難(Criticize)することに終わる一連のプロセスをいう。議論するときどこまで行くか止まるか、最初に相手の見極めと覚悟が必要。

38.チューリングのテスト(Turing’s test)

コンピュータが人間のレベルに達しているかどうかを判別するために、チューリングという科学者が考え出したテスト。最近は人間のレベルが落ちてきているので、人間がコンピュータに劣っていないかどうかを検証する目的(非劣性の証明)で使われる(ホンマか?)。

(知ったかぶりの解説:壁をはさんでこちら側には一人の人間、壁の向こう側にはコンピュータもしくは別の人間を配置する。壁をはさんでいろいろやり取りするとき、こちら側の人間はコンピュータもしくは人間のどちらと対話しているかは分からない。このときこちら側の人間が向こう側の両方と対話して、どちらも違和感がなければコンピュータは人間のレベルにあると判定する)

39.コミットメント (Commitment)

これに相当する日本語はないように思うがどうだろうか。日本語では約束、委託などと訳されるが実際は非常に重たい意識に裏づけされた行為をさす。単に約束ならpromiseという言葉がある。Commitmentがあるといえば尋常でない事情か、思い入れのある約束である。Commit suicideは「自殺する」であるが、決行すればあとに引けない行為だからと考えれば理解できよう。結婚すること、保証人になること、残り財産全部で馬券を買うこと、いずれも決行する前によくよく考えるべし。

40.代案(Alternatives)

上司は叫ぶ「代案をだせ!代案なくして文句ばかりいうな」。部下にしてみたら代案を出そうにも、原案がないのだから出しようがない。(代案吉日)

41.360度評価 (360 degree assessment)

評価を上司ばかりがしていてもなかなか本当のことが分からない、という苛立ちから(もっと言えば上司の自信のなさから)、部下や同僚の評価も取り入れようとするもの。評価には経験が必要であり責任を伴うが、この360度評価をする者には無縁である。かくして人気取りに走る人材を生む評価システムとなった。

 

42.プロジェクトマネジメント(project management)

製薬業界でこの言葉が流行りだして10年ぐらいになる。しかし過去の偉大な業績(ピラミッド、マゼランの世界一周、伊能忠敬の日本地図作成などなど)でプロジェクトでなかったものがあるだろうか?時代が下るにつれてマネジメント力は確実に低下している。(マネジメント学校が流行る訳です)

43.人間(にんげん)の定義 (Definition of human being)

血と糞便と邪(よこしま)な思いの詰まった皮袋にしか過ぎない。醜美も所詮皮一枚の差である。

44.再び「人間」についての定義 (Re-definition of human being)

人間の定義が皮袋だけではあまりに情けないので、少しまじめな定義を以下に。

・  ホモ・サピエンス:理性をもった動物という意味である。

・  ホモ・ルーデンス:遊ぶ動物という意味である。

・  ホモ・ファーベル:工作する動物という意味である。

・  ホモ・ロクエンス:言葉を持つ動物という意味である。

・  ホモ・メンティエンス:嘘をつく動物である

・  ホモ・ネカンス:殺しの本性をもつ動物である

いずれの定義も人間は「動物」の一種であることを明示している。「裸のサル」はもう古くなり、「スマホを持ったサル」というのが最新の定義である。

45.人間(じんかん)

世の中のこと。人と人がいて世の中が成り立っているというきわめて単純なことが人間を「にんげん」とも「じんかん」とも読ませる。「じんかん」と読むことが忘れられた今日、人を人とも思わぬ世の中になってきたのは当然であろう。

46.美化(Clean campaign)

今日では環境を整備することを指すことが多いが、汚れたもの、汚いものを美しくするという原義がある。実際に美しくする場合もあればそうなったのが単に想像や思い込みの場合もある。(あばたもえくぼ、自己評価、片思い、犠牲的行為への賞賛…自己欺瞞に気づかないとき美化作用は自己陶酔と相思相愛である)

47.正当化(Justification)

どことなく怪しげなものを、まっとうなものにこじつけるような感じを与える言葉であるが、おおむねそのとおりである。むかしから権力継承の際に常に問題となった(権力の正統性)。言い訳と似ているが、言い訳が他人から責められての防御的行為に対し、正当化は他人から責められる前に、相手を丸め込むための攻撃的行為である。イラク戦争前後でのブッシュの言い分を比較してみよう。

48.結婚 (marriage)

結婚を取り上げた警句、警告、皮肉は数限りない。しかしそれらは結婚に対する男の憧れが主流であった時代の産物である。女性から見た警句は見た記憶がない。いつの時代でも正しい警句は「結婚はしてもしなくても後悔するだろう」というものである。どうせ後悔するなら、してから後悔する方を選ぶあなたはきっと前向きな人。(後悔しないタフな奴)

49.NHK(日本放送協会)

むかし幼いころ父親にNHKってなんだ?と聞いたら、日本薄謝協会の頭文字を取ったのだ、と教えられたことを思い出す。きっとそのころNHK職員の給与は低かったのだろう。タクシー代を年間43億円も使うのはやむなくタクシー代と見せかけた給与の補填に違いない。(一人1回1万円のタクシー代を使ったとして年間43万回分。1km300円として1万円では33kmタクシーに乗れる。33X43万=1419万km。地球を350周回できる。NHK職員は給与が低いだけでなく走り回ってお忙しいのだ。日本放蕩協会)

50.コンサルティングまたはコンサルテーション(Consultation)

経済学者に相談して大金持ちになった人のことは聞かないし、馬券師の言を信じて勝ち続けた人もいない。しかし人は困ったときに相談したくなる癖につけこんだ商売がコンサルテーションである。かって世界的に有名なコンサルティング会社の連中と仕事をしたことがあるが、一言でいえばやらずぼったくりの仕事である。Consultの第一義は医者に相談するとあるが、「consult one’s interest」といえば自己の利益を図る、という意味である。人を当てにしてはならない、自分のケツは自分で拭け。

51.王道(Royal road)

二つの意味がある。一つは立派で、まっとうな道(中国由来)、もう一つは楽で安直な道(ギリシャ由来)である。学問に王道無し、とはもちろん後者の意味である。現代ではまっとうな方法が手軽に手に入らないかと思案した結果、ノウハウものハウツウものが流行る結果となった。あなたの読んでいる本はなんだろう?

52.朝令暮改

「朝発令したことを夕方には改めること」であるのは大概知られている。問題になるのは発令内容が朝と夕方で逆の場合である。いったんアクセルを吹かした車は急に止まれず、曲がれずである。英語で「Order, counter-order, disorder」と言い、「指示(命令)、逆の指示、混乱」とうつろう。

53.ダブルスタンダード(Double standard)

基準が二つ存在すること。相互に正反対の部分を含む。都合によりかならず使い分けをするためにあるが当の本人たちはそれが間違っていると思っていない。いなダブルスタンダードであることさえ意識しないこともありうる。それに比べれば裏帳簿は悪いと分かっているだけましか。

54.文明と文化の共存(Co-existing of civilization and culture)

・  きれいなToToの便器は文明の所産であるが、またいで座る姿勢は日本文化である。

・  コンビニは文明の一部であるが、売っている幕の内弁当は日本文化である。

・  新薬は文明の恩恵であるが、富山の薬売りは日本文化である。

・  2X4建築の家は文明の成果であるが、畳の和室は日本文化である。

・  新幹線は文明の粋であるが、車中で正座したり靴を脱ぐのは日本文化である。

・  ケータイ、スマホは文明の利器であるが、「もしもし」と話すのは日本文化である。

55.文明は文化を凌駕する(Civilization overcomes culture)

・  外食産業は文明であるが、ちゃぶ台と団欒は失われた。

・  高度先進医療は文明であるが、養生訓は忘れられた。

・  クレジットカードは文明であるが、「質素倹約、もったいない」は死語になった。

・  車は文明であるが、人だけが歩く道はなくなった。

・  DVDは文明であるが、紙芝居は廃れた。

・  ワープロは文明であるが、国語能力は低下した。

56.文明と文化の融合(Fusion of civilization with culture)

・  整形外科の医者がぎっくり腰になって鍼、灸の治療を受けること。

・  大阪駅のお土産ものセンターで日本中のお土産が即手に入ること。

・  お中元、お歳暮に遠赤外線焙煎のコーヒーを贈ること。

・  新車を買ったらお祓いをしてお守りをぶら下げること。

・  コンピュータで占いをすること。

・  お茶の間留学で外国語を勉強すること。

57.Give&Takeの理想的見本

ある大金持ちが息子にいった「お前にしてやれなかった唯一のことは貧乏を経験させられなかったことだ」と。貧乏な親が息子にいった「お前にしてやれなかったことは贅沢だけだ」と。親を取り替えるか、息子を取り替えれば両方解決するのだが。(言うは易く、行なうは不可能)

58.先生

中国の史記に出ているというから相当に古い言葉である。文字通り「先に生まれた人」という意味であるが、年月を経て尊敬のニュアンスが加わった。もっとも現代中国では「ろくでもない亭主」という意味もあるそうな。

59. 常套句(Cliché)

決まり文句のことである。シェイクスピアの劇を見た貴婦人(もちろんイギリス人だが)が、「シェイクスピアの劇って決まり文句の集大成なのね」とのたもうたとか。偉大なる人物は故郷に入れられず、の見本である。

60.主観と客観(Subjective, objective)

「それはあんたの主観的な判断だ」と決め付けられると思わずタジタジとなるけど、よく考えれば「客観」なるものは他人の主観である。要するに対立が1:複数になるとき、1つだけの意見は主観とされ、複数の主観の集まりは客観とされる。「俺がルールブックだ!」と叫んだ二出川さん(もとプロ野球の審判)は偉かったなあ。

 

 

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