閉経と偏見
スティグマ、羞恥、公衆の意識の欠如、および誤解のために、多くの女性にとって、閉経は黙って耐えるか、そうでなければエストロゲン補充療法を必要とするものとして、過剰な医療を受けることを意味しています。更年期障害は、人々の半数に影響する老化の自然な部分です。閉経について口を閉ざし、無視する社会の長年の態度は変わらなければなりません。閉経は月経周期の終わりであり、通常45〜55歳で起こります。ほてり、不規則な周期、寝汗、性欲の低下、気分や不安の低さ、認知能力の低下、睡眠障害などの症状は、女性の75%以上に影響を与えています。重度の症状は4分の1にとどまりますが、一時的なものとしても、日常生活、人間関係、仕事に対する身体的、感情的、心理的影響は甚大です。
女性のほぼ半数が自分の症状について医師に話さないまま、診療を受けています。その結果、女性の長期の仕事に負担がかかっています。更年期の女性は労働力に多大な貢献をしており、有給労働の50%近く、無償労働の約70%を占めています。人生の後半に子供を持つ多くの女性は、閉経期に有給の仕事、育児、そして高齢の親族の世話という、三重の困難に直面しますが、人生の重要な段階を無視されています。多くの女性は、必要な情報の不足のために必要な治療を受けていません。ホルモン補充療法の有害事象を心配し、薬を飲むことに消極的な女性もいます。効果と安全性が確立しておらず、科学的根拠に乏しい健康産業業界に女性を追いやることもあります。
閉経は人生の大きな出来事です。それは、人生、人間関係、そして将来の目標を再発見する時かもしれません。多くの女性は閉経期に困難を抱えている反面、そうではない女性も多いのです。とはいえ月経や避妊の自由など、女性が話しをすることはめったにありません。閉経はまた、ある意味一つの機会でもあります。閉経は、心血管代謝疾患のリスクを軽減し、女性が長く健康的な生活のための、予防およびスクリーニング戦略を実施する機会です。閉経を経験した女性が情報に基づいた治療とケアを決定する必要性があります。意識の向上と教育は、閉経への対応をまっとうなものとし、必要な支援を受けるために不可欠です。医療従事者には、最良の実践が確実に守られるよう、閉経についてのトレーニングを義務付けるべきです。
閉経は長い間、多くの社会で否定的な意味合いを持っていました。女性の価値は、女性の生殖能力の終わりによって定義されるべきではありません。人生のこの段階は一つの機会であり、社会が女性に投資して、中年期以降に潜在能力を最大限に引き出す新しい始まりなのです。
原文記事:Attitudes towards menopause: time for change - The Lancet